「あなたはグライダー人間?飛行機人間?」
1983年に刊行され、1986年に文庫化された外山滋比古氏の『思考の整理学』。
35年以上前に書かれたこの『思考の整理学』は今もなお時代を超えたバイブル!として20代の学生に人気です。
学生時代に『グライダー人間』だったわたしは大学院時代にこの『思考の整理学』に出会い、かれこれ10年ほど愛読しています。
東大・京大生協の書籍販売ランキング1位!として売り出されていた2008年に出会い、20代の大学院での研究生活や就職活動(進学?就職?)で悩んだ時期も、この本には大変助けられました。
この本には、色褪せぬ思考の本質が書かれているんです。
ちょっと時代が古いので、今の時代に置き換える必要がありますけどね。。
- 思考を寝かせ、一度忘れて見返すべし
- 知識をいたずらに所蔵してはいけない
- とにかく書いてみる
などなど。
インターネットが進化して、こういったブログや動画で個人がかんたんに発信できる時代になってますが、『思考の整理学』から色々なヒントを学ぶことが出来ます。
今回はそんな『思考の整理学』の感想とわたしのお気に入りのフレーズやポイントをご紹介します。
思考の整理学とは?
『思考の整理学』は、「自分の頭で考え、自力で飛翔するためのヒントが詰まった学術エッセイ」です。
東大・京大生が根強く支持する異例のロングセラー!
刊行から34年で122刷・245万部突破!「もっと若い時に読んでいれば……」
そう思わずにはいられませんでした。
――さわや書店 松本大介さん自分の頭で考え、自力で飛翔するためのヒントが詰まった学術エッセイ。
アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に即し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。
考えることの楽しさを満喫させてくれる一冊。2008 年に東大・京大生協の書籍販売ランキングで1 位を獲得して以来、10年間の間に7度、東大生協文庫売上1 位を獲得。「東大・京大で一番読まれた本」として知名度を高め、新たな読者を増やし続けています。Amazon-思考の整理学より引用
東大、京大で一番読まれた本?!気になるっ!!
ってことで、ちょうど2008年に話題になって、大学生協で並んでいた本を手にとったのが、わたしと『思考の整理学』の出会いです。
あなたはグライダー人間?飛行機人間?
学生時代、わたしは『グライダー人間』でした。
グライダー人間とは・・・
言われた通りのことをするのは得意だが、自分で考えてテーマをもてと言われるのは苦手である。長年のグラインダー訓練ではいつもかならず曳いてくれるものがある。それになれると、自力飛行の力を失ってしまうのかもしれない。思考の整理学p.12
本書では、人間の持つグライダー能力と飛行機能力が紹介されてます。
- グライダー能力:受動的に知識を得る
- 飛行機能力:自分でものごとを発明、発見する
どちらも必要な能力ですが、グライダー人間にどうエンジンを搭載するか。
飛行機人間として、答えのないものに挑戦していく。
自分で翔ぶためにはどうしたらいいか、そのヒントがこの『思考の整理学』には書かれています。
学生時代のわたしのような知識詰め込み型の受験勉強で育ってきた人間にとって、自分の頭で考える力を身に付けることは非常に重要です。
あなたの周りにもいませんか?
教わってないから出来ません!
というグライダー人間が。
思考の整理学を読んだ感想
思考の整理学を読んだ感想です。30代になって久しぶりに読み返してみました。
まず初めの感想ですが、
20代の頃にこの思考の整理学に出会えてほんと良かった!
です。
社会人になると、答えのないことばかり。
言われたことを忠実にこなす能力も必要ですが、受動的でなく、課題把握、課題解決能力などなど色々な能力が求められます。
いわゆる飛行機人間が求められます。
社会人を10年以上やっていますが、色々な能力を発揮する必要があります。
社会人になってからもなかなか自分の考えが相手に伝わらなくて困ることもしばしば。
自分の考えをもつこと、思考することは社会人にとって、学生時代以上に重要!
テーマはひとつでは多すぎる
ちなみに、なかなか研究成果がでなくて悩んでいた大学院時代に最も参考になったフレーズがこちら。
論文を書こうとしている学生に言うことにしている。「テーマはひとつでは多すぎる。すくなくとも、二つ、できれば三つもって、スタートしてほしい。」(中略)ひとつだけだと、見つめたナベのようになる。これがうまく行かないと、あとがない。こだわりができる。妙に力む。頭の働きものびのびしない。ところが、もし、これがいけなくとも、代わりがあるさ、と思っていると、気が楽だ。テーマ同士を競争させる。いちばん伸びそうなものにする。され、どれがいいか、そんな風に考えると、テーマの方から近づいてくる。「ひとつだけでは多すぎる」のである。思考の整理学p.43
まさにこの言葉の通り、わたしは複数のテーマを持つことで、色々と研究成果が出るようになって、このアドバイスは大学院時代に非常にタメになりました。
1つのことにこだわって、うまくいったらいいですが、研究にしろなんにしろうまく行かないことが当たり前なんです。。
最近よく目にしますが、「自分の強みを3つ掛け合わせろ!」と。
100人に1人が持っている強みを3つ持っていれば、1/1,000,000(百万分の一)の人材になれますもんね。
アナロジー的な思考をしてみる
また、アナロジー的な思考も重要です。
とある分野の方法・考え方を自分の専門分野に当てはめてみる。
アナロジーとは、未知の物事・深く知らない物事を既知の物事に当てはめて推論する思考方法のこと。
この『アナロジー』という言葉はちょっと難しいですよね。
ちょっと言い換えてみると・・・
いわゆる、パクリが『目に見える具体的なものを表面だけ真似をして類似のものに利用すること』だとすると、アナロジーは『目に見えない抽象的なものの根本を理解して、関係や構造が類似しているものに応用すること』。
これってビジネスでも応用が効くし、今でも役立ってます。
コンピューターの代わりになるな
30代も半ばになって読み返すと少し物足りなさもあるかもしれませんが、今でも少なからず気付きがあります。
どういうことが機械にはできないのか。それを見極めるのには多少の時間を要する。創造性といった抽象的な概念をふりまわすだけではしかたがない。思考の整理学p.214より
コンピューターがあらわれて、これからの人間はどう変化していくであろうか。それを洞察するのは人間でなくてはできない。これこそまさに創造的思考である。思考の整理学p.215より
まさにこれからAIの時代。創造的思考すらコンピューターに取られたら、どうするんでしょう。
令和時代に何を為すべきか、考えたことがあります。
情報過多のこの現代で、知識をどう使うのか、どう知識をスリム化するのか。
情報を取捨選択し、すっきり忘れるのはとっても大事♪
ちなみに、外山さん曰く、
本の知識が役立つのは30代まで。40歳を過ぎたら本に頼らず、自分で考えることが必要です
94歳が断言”読書が役立つのは30代まで”
とのこと。
本好きな人は知識があることで人間的にどんどんダメになっていく。40歳を過ぎたら本に頼らず、自分で考える。生き方のヒントを本から得て、他人のマネをしてみても、それは他人の人生の亜流にすぎません。つまり、人生の後半戦の勉強は、若いときとはまったく違うのです。
自分なりに考えることを心がける。
そのためには刺激的な友人との会話を大切にし、役に立たないことでも自分の好きなことにとことん打ち込むこと^^
知識ではなく、経験から学ぶべし!ですね。
さぁ思考を整理してみよう!
今回は、『思考の整理学』をかんたんにご紹介しました!
あとがき含め223ページほど。
最近のビジネス本や自己啓発本にもよく書かれているネタもありますが、外山さんの文章は読めば読むほど味が出てきます。
そう、スルメイカのようにね♪
思考を整理するポイントを厳選して3つだけご紹介。
- 行き詰った時は思考を一晩寝させる
- 朝飯前の時間を有効活用する
- とにかく書いてみる
一度読んだだけでは、表現がよく分からないところもあったり、30代になってみて改めて読んでみると、また違った感じ方があります。
思考の本質は色褪せず変わらないので、ちょっとしたヒントが得られますよ。
本を読むだけではなく、文章を書き、頭の中を整理し、音読してみる。
あとがきにも書かれていましたが『他山の小石』だと思って、実践してみるのがオススメです♪
※他山の石:よそのできごとや自分に対する批評が、自分の知徳をみがく助けとなるということ
他にも30代でやるべきこと、仕事の習慣やコツをご紹介しているのでぜひお読み下さい!
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