「グラフってどう使い分ければいいの?」
「効果的なグラフの見せ方ってどうするの?」
どうしてグラフって作るのか?
それは、事実を適切に反映したグラフを作成することで、意思決定者など相手に正しく情報を伝え、行動してもらうため。
グラフを使う上でのコツは3つあります。
- 誰にどんな状況で情報を届けるか分析する
- 分析をもとに可視化手法を選ぶ
- 余分なものは排除する
今回は、効率的なグラフの使い方についてご紹介します!
グラフの使い分け方法
まずは、誰にどんな状況で情報を届けるのか、2つの分析を行います。
- オーディエンス分析
- シチュエーション分析
オーディエンス分析
まず前提として、相手はグラフ全てではなく、見つけたことだけを知りたい、ということです。
分析の進め方は以下のとおり。
- キーマンをできるだけ具体的に特定する。
- キーマンの想定される期待値を理解する
- トピックに対する共通認識は何かを把握する。
- トピックに対する姿勢を把握する
シチュエーション分析
シチュエーションの分析としては、「人数(少ない、多い)」、「伝達の方法(書面、対面)」で使い分けます。
人数が少ない場合、必要な情報の粒度は細かくなります。
一方で、人数が多い場合、必要な情報の粒度は粗くします。
伝達の方法が書面の場合、場のコントロールがしにくい。
一方で、対面の場合、場のコントロールがしやすくなります。
- 大人数向けのプレゼンテーション:伝える情報は平易な言葉でシンプルに
- 少人数向けの書面による資料:キーマンの知りたい情報を先回りして考え、情報の粒度を細かく
グラフの効果的な見せ方
データを可視化する上で、様々な手法があります。
- 棒グラフ
- 折れ線グラフ
- 散布図
- ヒートマップ
- ヒストグラム
- 表
棒グラフ
棒グラフは、カテゴリ変数と連続変数とします。
変数間の大小比較を行う場合に使います。
折れ線グラフ
折れ線グラフは、横に時間、縦に連続数値とします。
時間経過に伴う推移や変化を確認する場合に使います。
散布図
散布図は2つの連続変数を扱います。
変数間の相関関係を見たい場合に使います。
ヒートマップ
ヒートマップは一種の表であり、カテゴリ変数2つと連続変数1つを扱います。
データの特徴を把握し、全体を俯瞰する場合に使います。
ヒストグラム
ヒストグラムは1つの連続変数をとります。
分布の形を確認する場合に使います。
表
表は複数の異なる測定単位を1つの図面の中で表現したい場合に使います。
つまり、オーディエンス各自が表の中で興味ある部分に着目し、各自で情報抽出ができる一方、オーディエンス側が積極的に情報抽出をする必要があります。
- 棒グラフ:変数間の大小を比較する場合
- 折れ線グラフ:時間経過に伴う推移や変化を確認する場合
- 散布図:2つの連続変数のデータがある場合
- ヒートマップ:カテゴリ変数2つと連続変数1つのデータがある場合
- ヒストグラム:分布の形の理解をする場合
- 表:複数の異なる測定単位を表現する場合
一方で、使用を控えた方が良い可視化手法は円グラフです。
面積の割合の差を一目で認識できないため、円グラフは使用を控えた方がよいグラフです。
円グラフ:割合の差が一目で分かりづらいので使用は控えた方が良いです
余分なものを排除する
余分なものを排除するテクニックとして、以下があります。
- 近接の法則
- 類同の法則
- 囲みの法則
- 閉合の法則
- 連続の法則
近接の法則
人は近いものは同じグループだと認識します。
同じカテゴリーのものを近くに表示させることで情報が理解しやすくなります。
類同の法則
人は似ているものは同じグループだと認識します。
色や形、向きが同じなど、同種のもの同士がひとまとまりになりやすいです。
囲みの法則
人は枠中のものは同じグループだと認識します。
近接によってグループ化されていても、囲うとグループ化できます。
閉合の法則
人は不完全でも脳にある形に補完して知覚しています。
グラフの境界線や背景色がなくても成立します。
連続の法則
人は連続性があれば補完して知覚しています。
いくつかの曲線になり得る図がある場合、なめらかな曲線として連続しているものは1つとして認識されます。
あなたの手元に1万件の不動産売買のデータがあり、そのデータを使って延床面積と不動産価格の関係を見たいと考えています。この場合、用いるグラフとして最も適切なグラフは何?
2つの変数の関係を表した場合は、散布図が最適。
次は少しだけ応用問題。
あなたは売上5億円の小売企業の経営企画担当です。経営企画部門内の打ち合わせの際に以下の目的に合わせたグラフを用意しようと考えています。
- 全店舗合計の年初からの週次売上の推移
- 店舗ごとの直近1週間の売上合計を比較
上記の①、②の目的を達成するための可視化手法を選んでください。
①は時間に伴う売上の推移を確認するので折れ線グラフ。
②は比較が目的なので棒グラフ。
また、経営企画部門内での打ち合わせでの使用なので、億円単位での表示では大雑把すぎるため、金額の表示は万円単位のほうが適切になります。
さあグラフを使い分けてみよう!
グラフを使う上でのコツは3つ。
- 誰にどんな状況で情報を届けるか分析する
- 分析をもとに可視化手法を選ぶ
- 余分なものは排除する
それぞれのグラフには特徴があります。
- 棒グラフ:変数間の大小を比較する場合
- 折れ線グラフ:時間経過に伴う推移や変化を確認する場合
- 散布図:2つの連続変数のデータがある場合
- ヒートマップ:カテゴリ変数2つと連続変数1つのデータがある場合
- ヒストグラム:分布の形の理解をする場合
- 表:複数の異なる測定単位を表現する場合
適材適所で使い分けるのが大事。
ぜひ、意識しながらグラフ使っていきましょう!
グラフに凝りすぎて時間がなくなってしまっては本末転倒ですけどね。
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