「SDGs(エスディージーズ)ってなに?」
「2030年に向けて取り組むべきことってなに?」
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉、ここ最近よく目にもしますし耳にするようになりました。
2030年の日本は国民の1/3近くが65歳以上の高齢者が占める国になります。
2030年まであと10年。
目まぐるしい変化が世界では起こっています。
5G、AI、IoT、そして2020年は東京オリンピックがあります。
東京オリンピック2020では4Kや8Kの高精細・高画質な大画面で楽しめるようNHKを始め各メーカーがかなり力を入れています。
とはいえ、地デジではなく、衛星放送ですけどね。
▶地デジの4K放送っていつから?2021年以降?実証実験から学ぶアンテナ&符号化技術
通信業界をはじめ、IT業界も2020年の5Gサービス開始をターゲットにこれまで大きな舵取りをしてきました。
▶5G(ファイブジー)はいつから始まるの?速度はどれくらい?
さぁ、まだまだ働き盛りの20代、30代は2020年のこれから、何に取り組んでいきましょうか?
AI技術?IoT?
今回は落合陽一さん著の『2030年の世界地図帳』から2020年の方針を考えてみましょう!
SDGs(エスディージーズ)ってなに?
SDGs(エスディージーズ)ってなんでしょう?
SDGsはSustainable Development Goalsの略語。
サスティナブル(Sustainable)って、「持続可能な」ってこと?
正直、「持続可能」って言われてもあまりイメージ湧きませんよね・・・。
環境用語でよく使われていましたが、企業でも「サスティナブル」という言葉が使われるようになってきました。
簡単に言うと・・・
「すべての人と地球環境に配慮することで、より良い状態を守りながら未来へと受け継いでいくことができる」といった意味合いになります。
2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までの国際開発目標です。
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。外務省-SDGsとは?より引用
SDGsには17のゴールが掲げられています。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 緑の豊かさを守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
関連語に、『Society5.0』という言葉があります。
Society 5.0とは:サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。内閣府-Society5.0より引用
『2030年の世界地図帳』では、SDGsやSociety5.0について、世界の情勢とともに分かりやすく解説してくれてます。
2030年の世界地図帳から学ぶ2020年の方針
この『2030年の世界地図帳』では、まず「デジタル」と「人口」から2030年の世界を俯瞰しています。
注目すべき「デジタル」分野は?
注目すべき「デジタル」分野は5つ。
- AIなど機械学習関連技術領域
- 5G
- 自律走行(自動運転)
- 量子コンピューティング
- ブロックチェーン
『2030年の世界地図帳』1章より
これらが、これから注目すべき分野です。
日本では2020年が5G(ファイブジー)元年になります。
あらゆるものがインターネットに繋がり、動画の時代に突入する、とも言われています。
コネクテッド・カー(車間通信)や遠隔医療などなど、5Gの大容量、多接続、低遅延という特徴により、関連分野はどんどん発展していきます。
もちろんエンタメ分野もかなり進歩します。
より臨場感のあるスタジアム観戦などが実現されようとしています。
通信距離やアンテナ設置などの課題もありますが、2020年の注目技術の1つです。
5G(ファイブジー)は要チェック!!
また、スマートシティという考え方もこれから重要になります。
- Smart Living(スマートリビング・生活)
- Smart Energy(スマートエネルギー・環境)
- Smart Economy(スマートエコノミー・経済活動)
- Smart Learning(スマートラーニング・教育)
- Smart Mobility(スマートモビリティ・交通)
- Smart Governance(スマートガバナンス・行政)
どの分野に自分が貢献できるか、考えてみるのも大切かもしれません。
何でも「スマート」が付いていますよね。
この「スマート」の考え方は、すっかりグローバル・スタンダードになりましたね。
2030年の人口はどうなる?
人口について、2030年以降はどの国がメインになると思いますか?
アメリカ?中国?
いえ、中国、アメリカ、インドの時代になります。
特に注目なのがインド。
シリコンバレーとインドの時差は12時間。
まさに時差を利用したリレー方式での開発とは、目の付け所が、ですよね。
これで24時間効率良く開発が進む、ってわけです。
一方で、日本の人口は超高齢化社会に突入します。
若者は、実際のアメリカやインドを目にしてくるのもありかと思います。
現在、電気電子分野にいますが、アメリカや特に中国の学会でのプレゼンス(論文発表数)は目を見張るものがあります。
自分が研究者になりたての10数年前は、中国の学会採択数(査読ありの国際会議)はほんのわずかでした。
が、ここ数年でかなり状況が変わってきました。
そりゃ、人口の違いもありますが、ヒト、モノ、カネのかけ方がここ数年で尋常じゃありません。
研究者として今後日本の中で生きていくのもなかなか難しい時代になってくるかも。。。
分野によるとは思いますけどね♪
2030年の世界地図帳の感想
『2030年の世界地図帳』は総ページ数351ページのなかなかのボリュームな本です。
図や対談形式もあるので、とても興味深く読み終えました。
- 1章:「デジタル」と「人口」
- 2章:「貧困」と「格差」
- 3章:「環境」問題
- 4章:SDGsとヨーロッパの時代
2019年の世界は、人類の文明が行き着いた巨大な混沌の中にあります。2000年代からインターネットの普及によって本格化したグローバリズムは、GAFAMをはじめとするアメリカの巨大IT企業を生み出し、約14億人の人口を抱える中国は急激な経済発展によってアメリカと世界を二分する国家へと成長しました。資本主義が世界全体を覆いつくす一方、貧富の差はますます拡大し、開発途上国のみならず先進国に暮らしていても、深刻な貧困に脅かされている人は珍しくありません。テクノロジーの観点からの議論とSDGsやパリ協定などの国際協調を俯瞰しながら考えることを通じて、本書が停滞や思考停止を突破し、読者の方一人ひとりの行動指針を立てるためのきっかけになれば、喜ばしい限りです。
(「まえがき」より抜粋・一部改訂)
『2030年の世界地図帳』はかなり読み応えのある本でした。
Amazonの「都市開発・都市問題 の 売れ筋ランキング」で第一位です(2020.1.4現在)。
これからはまさにハードからソフトの時代。
色々なモノやサービスを組み合わせてみる発想が大切になります。
例えば、
- 物理+機械学習
- 化学+機械学習
- 生物+機械学習
- 政治+機械学習
- 経済+機械学習
- 歴史+機械学習
などなど。
これらの考えは、令和が始まった日(2019.5.1)にこちらの記事にも書いてみました。
AI、機械学習についてキホンを知りたい方はこちらの記事もどうぞ♪
『デジタル発酵』という概念はとても興味深かったです。
さまざまなテクノロジーがその土地に根付いたモノやサービスと掛け合わされることで新たな魅力と価値が現れてくる。
ぶっちゃけ、今後の日本は、アメリカや中国には技術分野ではもう勝てないから、ヨーロッパの作ったルールを利用しつつ、そこに歴史や文化といった地域的な強みで戦おう、という考え方。
なかなか面白い考え方です。
とはいえ、まだまだ日本でも戦える分野はある気もします。
が、優秀な研究者や技術者はどんどん日本を出てしまう、外資系に流れてしまう、そんな現実もあったりします。
答えはすぐには出ませんが、前向きに考えていかないと、です。
2020年をどう過ごすか?
2020年、2030年まであと10年。
これから激動の時代へ突入します。
日本だけに目を向けるのではなく、世界に目を向けつつ、今自分は何を為すべきか。
SDGs 17のゴールをもう一度よく目を通してみて、どの問題・課題を解決していきたいか、そこにヒントがあります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 緑の豊かさを守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
環境問題に目を向けてもいいし、IT業界であっと驚くサービスを開発しても良い。
20代なら世界に飛び出しても良い。
- 知識や情報は常にアップデートする!
- 常識にとらわれず、新しい技術を試してみる!
- 日本だけでなく、世界の動向に目を向ける!
自分の当たり前は相手の当たり前ではないし、世界はもっと変化しています。
一昔前の常識はあっという間に「常識」ではなくなってしまったり。
これからももっとアンテナを高くして、自分の目で世界を見て、自分の頭で考えていきたいと思った、そんな本でした。
新しい技術を取り込み、これまでの技術に組み合わせていく。
とにかく、これからも世界の動きに目を向けつつ、自分の技術力をつねに磨いていかないとなぁと、しがない30代半ばのエンジニアは思いましたとさ♪
『2030年の世界地図帳』はかなり読み応えがあって、おすすめです!
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