「未来のメディアってどうなるの?」
令和初のNHK技研公開2019。今回の目玉はAR、VR、そして3D。
大人も子供も楽しめる、そんなNHK技研の研究成果を発表する一般公開のイベント。
予約不要で、無料です♪
NHK技研のターゲットは2030~2040年の『未来のメディア』
NHK技研公開2019のテーマは3つ。
- リアリティーイメージング:より臨場感・実物感の高いコンテンツを実現
- コネクテッドメディア:インターネットを活用して番組制作やユーザ体験を向上
- スマートプロダクション:AIにより効率的に番組を制作
今年はリアリティーイメージング(AR、VR、3D)に特に力を入れています。
今回は未来を感じられるとても魅力的な展示(AR、VR、3D)をご紹介したいと思います。
未来のメディアはどうなる?VR、AR、3D体験が楽しい!
画像出典:会場マップ -NHK技研公開2019
まず会場に入ると注目展示がずらりとあります。
おすすめ展示はずばり!この3つ。
- E2:高精細VR映像
- E3:ARを活用したテレビ視聴スタイル
- E4:視点に追従するインテグラル3D映像
キーワードがずらり!
VRにARに3D
まさに『未来のメディア』でした!
高精細VR映像
会場に入ってすぐ右手に、将来の多様な視聴形態の展示がありました。
いきなりの未来感!
没入してて、ふと肩を叩かれたらビクッとしちゃうやつです。
ドーム型、ヘッドマウント型。そして、大きな180度の円筒スクリーン。
音も迫力満点で、高い没入感と臨場感でした!?
それもそのはず。
8台の4Kプロジェクターと、前7ch、後ろ7ch、天井1chの没入型音響が設置されていました!
ARを活用したテレビ視聴スタイル
次はAR技術を活用した将来の新しいテレビ視聴スタイルの展示。
あたかもテレビ画面から出てきたかのような出演者を身近に感じながら、離れた場所にいる家族や友人と一緒にテレビを視聴するスタイル。
写真撮影がNGでしたが、『みんなで筋肉体操』のデモンストレーションをしていました。
出演者は武田真治さん。筋肉隆々でした♪
リアルに武田真治さんがその場にいるような感じでビックリ!
武田真治さん、ひたすらスクワットしてましたよ!!
自分に甘えない!筋肉は裏切らない♪
ここでの要素技術は、MMT技術。
出演者の3次元映像をインターネットなどの通信回線を用いてリアルタイム伝送する際に、放送に用いられているMMTと共通のタイムスタンプを付与することで、受信側ではこれらの映像を同期してAR合成表示することができるんです。
MMTとは、映像、音声、データなどを1つの信号形式に多重して、衛星放送、地上放送、インターネットなど、さまざまな伝送路で送ることができる新しい伝送方式。新4K8K衛星放送に採用され、次世代の地上放送への適用も検討されています。現在の地上デジタル放送などで用いられている信号形式と大きく異なる点は、IPベースの信号になっていること。これにより、通信でも信号を扱いやすくなるため、放送と通信の連携サービスが容易になるんです。
視点に追従するインテグラル3D映像
特別なメガネを使わなくても自然な3D映像を見ることができるインテグラル3D映像システム。
携帯型端末を使って3D映像を視聴できるサービスを目指して、視聴者の視点に追従するインテグラル3D映像を画素密度の高い小型ディスプレーに表示するシステムを構築し、3D映像の広視域化と高品質化を実現していました。
昨年の技研公開ではもう少し小型のディスプレイで展示してましたが、今年の進化ポイントは2つ。
- 3D映像の広視域化
- 3D映像の高品質化
視聴者の視点に追従するインテグラル3D映像の表示技術によって、水平視域を従来の約3.3倍(81.4°)、垂直視域を約6.6倍(47.6°)に拡大。
画素密度の高い小型ディスプレー(457.7ppi)と焦点距離の長いレンズアレー(2.0mm)を用いることで、3D映像を再生する光線密度を水平・垂直方向ともに従来の約2倍とし、映像品質が向上。
実際に3Dメガネがなくても浮き出て見えて、かなり高画質!
この展示はかなり人気で、20分待ちでした!
AR、VR、3Dの最新技術を体験!
会場を移動すると・・・
- T1:【体験型展示】ARを活用したテレビ視聴体験
- 1:インテグラル3DCG映像のリアルタイム生成技術
- 2:3次元映像の奥行き表現技術
- 3:将来の3次元映像表示デバイス
の展示があります。
ARを活用したテレビ視聴体験
出演者や遠隔地にいる家族など視聴者にとって特別な人と一緒に番組を見ることができる空間共有サービスのイメージを展示。
ヘッドマウントディスプレーに表示された360度映像により、空間共有サービスを疑似体験することができます。
この体験型展示もけっこう人気でした!20分待ちくらいでした。
インテグラル3D CG映像のリアルタイム生成技術
ボルダリング選手のモーションデータを取得し、CGキャラクターに反映させ、インテグラル3D映像を表示するまでをリアルタイムに処理。
インテグラル3D映像が表示された携帯端末の画面を操作することで、選手の動きをさまざまな視点から見ることができます。
ユーザー操作をサーバーに送り、サーバーでレンダリングした4K解像度のインテグラル3D映像を携帯端末に無線伝送して表示しているんです。
多視点化、なかなか斬新でした!
3次元映像の奥行き表現技術
将来的に3Dで映像を放送する場合、問題になるのが奥行き表現だそうです。
手前に映っている被写体の立体感を強調したい!
シーン全体をはっきりと見せたい!
といった制作者の意図を表現するために、3次元映像の奥行き情報を調整する技術。
たとえば、手前の立体感を強調したい場合は手前を広くして、奥を圧縮する。『奥行き圧縮パラメーター』によって制御するそうです。
この展示もけっこう人が集まっていて注目されてました!
将来の3次元映像表示デバイス
高品質な3次元映像表示の実現に向けた高速・高密度な表示デバイス。
奥行き範囲の広いインテグラル3D映像の表示を目指す光フェーズドアレーと、広い視域の動画ホログラフィー表示に向けたスピン空間光変調器。
学生時代、少しだけ勉強しました。10年以上前から知識が止まっていましたが、ここまで進んでいたとは!?
ホログラフィーでは、いろいろな方向から見た物体の映像を、参照光と呼ばれるレーザー光などとの干渉縞として、フィルムのような媒体に記録します。この媒体をホログラムと呼びます。このホログラムに、記録した時と同じ参照光を照射すると、物体があたかもその場に存在しているかのような3D映像を再生することができるんです。
光フェーズドアレーの取り組みとか
ホログラムの展示とか
電子ホログラフィーの原理とか
空間光変調器の画素ピッチの話とか
まだまだリアルタイムに画面を切り替えつつ、高画質なホログラム映像(動画)を作るのはまだまだ難しいようです^^;
学生時代に勉強した空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)とまた会えたのはとても嬉しかったです。
空間光変調器(SLM)とは、空間的・時間的に振幅変調、位相変調、または偏光を変調するために使用されるデバイス。かんたんに言うと、光の色々な成分(位相や振幅)を空間的にいじって好きな映像を作り出すことが出来るんです。反射する方向もいじれるので、光のスイッチなんかにも使うことが出来ます。応答速度はμsオーダーレベルなので、スイッチの用途によります。
説明員の方とかなり盛り上がりました!丁寧なご説明ありがとうございました♪
まとめ
令和初のNHK技研公開2019 AR、VR、3D展示について、ひととおりご紹介しました。
まさに未来を感じられる展示ばかりでとても楽しめました。
以上が1階の展示。主にVRやARが体験できます。地下の展示はまた次の機会に。地下の展示はもっとマニアックでした♪
5月30日 (木) ~ 6月2日 (日) 午前10時~午後5時(入場は終了の30分前まで)
会場はNHK放送技術研究所:東京都世田谷区砧1-10-11
土日(6/1,2)は成城学園前駅からシャトルバスが出ていて、入場無料です。
子供も大人も未来のメディアが楽しめてオススメです♪
おまけ。
会場では無料でWiFiが利用出来ました。
基調講演やNHK技研公開について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
▶令和初のNHK技研公開2019 未来のメディアってどうなるの?(基調講演編)
新4K8K衛星放送が気になる方は、こちらの記事をどうぞ♪
▶令和初のNHK技研公開2019 新4K8K衛生放送ってどう観るの?
地デジ4K8K放送が気になる方は、こちらの記事をどうぞ♪
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