「AIで作ったイラストの色が、なんだか淡くてぼんやりしている。VAEを入れれば直るの?」
この記事は、ComfyUIでSDXL系のモデルを使っている人が、色がくすむ・おかしいときに、どこを見直せばいいか分かるようにする記事です。
わたしはRTX 4070(12GB)のPCで、Illustrious XL v2.0を使い、VAE・CFG・ネガティブプロンプトを変えて同じ絵を作りました。色の濃さは見た目だけでなく、画像から数値でも測っています。
先に結論です。
- SDXL系のモデルは、VAEを別に入れなくても色はくすみませんでした。公式のSDXL用VAEに替えても、ほぼ同じ絵です
- SD1.5用のVAEを入れると、絵が青くざらついて崩れました。SDXL系では外してください
- 色が淡いときは、CFGが低すぎないか(3など)と、ネガティブが空になっていないかを見ます
色がおかしいときに見る所

- VAE:SDXL系なら内蔵のままでいい。SD1.5用がついていたら外す
- CFG:低いと色が淡くなる。まず5から
- ネガティブプロンプト:空だと色が淡くなりやすい。モデルの公式の例を入れる
色の濃さは画像の彩度(色の鮮やかさ)とコントラスト(明るい所と暗い所の差)を数値にして比べました。どちらも、数字が大きいほど色がはっきりしています。数値の出し方はこの記事の最後に書きました。
VAEとは
VAEは、モデルが描いた絵を、ふつうの画像に戻す部分です。モデルは絵を小さく縮めた形(潜在画像)で描いていて、最後にVAEが色や細かい線のある画像に戻します。
ComfyUIでは、「VAEデコード」というノードがこの作業をしています。Illustrious XLなどのSDXL系のモデルは、checkpointのファイルの中にVAEが入っています。
VAEを替えて比べた

同じseedで描いた中身を、4つのVAEで画像に戻しました。ComfyUIは、描くところまでが同じなら結果を使い回すので、違いはVAEだけです。
- 内蔵のVAE(checkpointに入っているもの):基準
- 公式のSDXL用VAE(sdxl_vae):内蔵とほぼ同じ。画素の差は平均で1未満だった
- SD1.5用のVAE(vae-ft-mse-840000):全体が青くなり、肌が青紫で、ざらついた模様が出た
- SD1.5用のアニメ向けVAE:同じように崩れた
SDXL系のモデルに、SD1.5用のVAEは合いません。「おすすめのVAE」として紹介されているものには、SD1.5用のものもあります。このサイトの2023年のVAEの記事も、SD1.5向けです。
ComfyUIで「VAEを読み込む」ノードを足しているなら、そのVAEがSD1.5用でないか確かめてください。迷ったら、そのノードを外して、checkpointのVAEをそのまま使えば十分です。
SD1.5のモデルでは、VAEをつけないと色が白っぽくなるという話があります。手元にSD1.5のモデルがなく、今回は試していません。SD1.5のVAEの選び方は、Stable DiffusionのおすすめVAE(2023年の記事)にあります。
CFGが低いと色が淡い

CFGはプロンプトにどれだけ寄せて描くかの強さです。3・5・10で比べました。
- CFG 3:色が淡く、レインコートの黄色が白っぽくなった。seed 101の彩度は113
- CFG 5:彩度139
- CFG 10:色が濃く、線もはっきりした。彩度172
もう1つのseedでは、CFG 3で背景の花が増えたため、彩度の数字は5より上がりました。それでもコントラストは45から34に下がり、メリハリの弱い絵になっています。
CFGを変えると、構図も少し変わります。色が淡いと感じたら、まずCFGが低すぎないかを見てください。Illustrious XLの公式の説明(v0.1)では、5〜7.5がおすすめです(Illustrious XLの使い方とおすすめ設定)。
ネガティブが空だと淡くなる

ネガティブプロンプトとは?で作った絵を、同じ物差しで測り直しました。
- Illustrious XL:ネガティブが空だと、4枚とも彩度とコントラストが下がった(彩度の平均は85から66)
- Animagine XL 4.0:同じく4枚とも下がったが、差は小さかった(彩度の平均は60から51)
Illustriousの公式の例のネガティブには、monochrome(白黒)、greyscale(灰色)、low quality(低い画質)などが入っています。色の薄い絵や質の低い絵から離すので、空にすると色が淡くなるのだと考えています。
色を確かめた方法
彩度は画像をHSVという色の表し方に変えて、S(鮮やかさ)の平均を出しました。0から255で、大きいほど鮮やかです。コントラストは白黒にした画像の明るさのばらつき(標準偏差)です。
どちらもPythonのPillowで計算しました。絵の中身が違うと数字も変わるので、同じseedどうしで比べています。
まとめ
SDXL系のモデルでは、VAEは内蔵のままで色はくすみませんでした。SD1.5用のVAEを入れると青く崩れるので、ついていたら外します。色が淡いと感じたら、CFGが低すぎないかと、ネガティブが空になっていないかを見直してください。
次に読む記事
この記事でできるようになったこと色が淡い・おかしいときに、VAE・CFG・ネガティブのどれを見るか分かる
やってみるワークフローに「VAEを読み込む」があればSD1.5用でないか確かめ、CFGを5、ネガティブを公式の例にして作り直す
次に「ほかの画質も上げたい」と思ったら
画質を上げる方法を選ぶ画質を上げる方法まとめほかの疑問なら
- CFGと品質タグを決めるIllustrious XLのおすすめ設定
- ネガティブに何を書くかネガティブプロンプトとは?
ローカルの画像生成の記事は、AI画像生成ガイドに、つまずく順にまとめています。
参考
どれも2026年11月3日に確認しました。
- Hugging FaceのSDXL用VAE:公式のSDXL用VAEの配布元
- Hugging FaceのSD1.5用VAE:今回試したSD1.5用VAEの配布元
- 実測:RTX 4070(12GB)・メモリ32GBのPC。ComfyUI Portable 0.43.0

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