「『お荷物を持ち帰りました』ってSMSが来たけど、何か頼んだっけ?」
宅配便、銀行、カード会社、携帯電話の料金。それらしい名前で届くSMSは、本物と見分けにくいですよね。
先に結論です。
- SMSのリンクは押さず、書いてある番号にも電話しません。本当か気になるときは、公式アプリか、自分で開いた公式サイトで確かめます(総務省・IPA)
- ヤマト運輸と佐川急便は、SMSで連絡していないと公式に案内しています。日本郵便も日本郵便を装ったSMSに注意を呼びかけています
- 押してしまっても、何も入力せず、アプリも入れていなければ、閉じれば大丈夫なことが多いです。入力した・アプリを入れた場合は、すぐに対処します
- 届きにくくする設定はiPhone・Androidとも無料で使えます
2026年11月7日に、総務省・警察庁・IPA・フィッシング対策協議会・宅配各社・Apple・Googleの公式情報で確かめました。
よくある偽のSMS

総務省や警察庁が挙げている例を、文面の型に分けるとこうなります。
- 宅配便: 「お荷物をお届けしましたが不在のため持ち帰りました」「住所不明のため配達できませんでした」
- 銀行・カード会社: 「本人確認が必要です」「不正なアクセスを検知しました」「取引を停止しました」
- 携帯電話会社・通販サイト: 「料金が未払いです」「アカウントが停止されます」
- 官公庁: 「税金の還付があります」「マイナポータル」を名乗る
共通しているのは、急がせる言葉とリンクがセットになっていることです。警察庁は、送信元の名前やアドレスは簡単に偽装できるので、それだけで本物かどうかは判断できないとしています。フィッシング対策協議会は海外の電話番号やアルファベットの差出人から届くSMSも、フィッシングを疑うよう案内しています。
開く前に確かめる3つ


1. その会社は、SMSで連絡してくるか
宅配便の大手3社の公式の案内です(2026年11月7日に確認)。
| 会社 | SMSでの連絡 |
|---|---|
| ヤマト運輸 | 「SMS(ショートメール)によるご連絡は行っておりません」(公式FAQ) |
| 佐川急便 | 集配についてSMSで案内していない(公式の注意喚起) |
| 日本郵便 | 日本郵便を装ったSMSに注意を呼びかけている(郵便局物販サービスが不在時に送るSMSは除く) |
ヤマト運輸は正規のメールのドメインを3つ公開していますが、そのドメインを名乗る迷惑メールもあるので、ドメインだけで判断しないよう書いています。
銀行も同じです。警察庁は、金融機関がメールやSMSでID・パスワードを問い合わせることはないとしています。
2. 心当たりはあるか
頼んだ荷物がある、その銀行を使っている、という心当たりがあっても、SMSのリンクからは開きません。偽のSMSは、たまたま当てはまる人が押すのを待っています。
3. 公式アプリかブックマークで確かめる
本当か気になるときは、次のどれかで確かめます。
- その会社の公式アプリを開く
- 自分でブックマークした公式サイトを開く
- 荷物なら、公式サイトの荷物の問い合わせに、手元の伝票番号を入れる
検索して開くときは注意が要ります。警察庁は検索結果の広告から偽サイトに誘導する手口もあるとしています。いつも使うサイトは、ブックマークしておくのがいちばん確実です。
押してしまった後は、何をしたかで分ける


リンクを開いただけ(何も入力していない)
そのままページを閉じます。何も入力せず、アプリも入れていなければ、被害は出ないことが多いです。スマホのOSを最新にしておけば十分です。
ID・パスワード・カード番号を入力した
すぐに対処が要ります。カード番号ならカード会社、ネットバンキングなら銀行に連絡し、パスワードは変えます。入力したもの別の順番はフィッシングサイトに入力してしまったら?最初にすることにまとめました。
アプリを入れてしまった
「再配達のアプリ」「セキュリティのアプリ」などと言われて入れてしまったら、気づいた時点ですぐに削除します(フィッシング対策協議会)。そのうえで、
- スマホで使っているサービスのパスワードを変える
- 携帯電話の料金と一緒に払うキャリア決済の請求に、覚えのないものがないか確かめる
- スマホ決済やネットバンキングの利用履歴も見る
警察庁はSNSの広告やメール・SMSのリンクから不正なアプリを入れたことで、スマホがマルウェアに感染して遠隔操作され、キャッシュレス決済から不正に送金される被害が出ていると注意しています(2026年9月)。マルウェアに感染すると、電話帳を盗まれたり、自分のスマホが偽のSMSの送り元にされたりすることもあります(警察庁)。スマホの中に不審なアプリがないかの確かめ方は、スマホがウイルスに感染したか確かめる方法にあります。
認証コードを伝えた
SMSで届いた6桁などの認証コードを、相手に伝えたり、偽のページに入力したりした場合は、乗っ取りを確かめます。手順はフィッシングサイトに入力してしまったら?の「認証コードを伝えた・入力した」で説明しています。認証コードを人に教えてはいけない理由は、2段階認証の記事に書いています。
困ったときの相談先は、警察の相談専用電話「#9110」、契約やお金のトラブルは消費者ホットライン「188」です。
届きにくくする設定

どれも無料で使えます。
iPhone(iOS 26)
Appleの公式ガイド(iOS 26)によると、次のように設定します。
- 知らない相手からのSMSを分ける: メッセージのアプリを開き、チャットリストの右上のボタン →「フィルタリングを管理」→「不明な差出人をスクリーニング」をオン。知らない相手のメッセージは別のフォルダに分けられ、通知も来なくなる
- 報告する(開いていないとき): メッセージを左にスワイプしてボタンを押し、「削除して迷惑メッセージを報告」
- 報告する(開いてしまったとき): メッセージの下に出る「迷惑メッセージを報告」→「削除して迷惑メッセージを報告」
返信したあとは報告できず、3回以上返信した相手にはこのフィルタも効きません(Apple)。iOS 18以前は、項目の名前や場所が違います。
Android(Googleメッセージ)
Googleのヘルプによると、会話の一覧で対象の会話を長押しし、ブロックのアイコン →「スパムとして報告」→「OK」の順に押すと、報告とブロックができます。報告した会話は「スパム / ブロック中」に移ります。メーカーのSMSのアプリを使っている場合は、手順が違います。
携帯電話会社の設定
大手の携帯電話会社は、2022年3月から、フィッシングサイトに誘導するSMSの受信を自動で拒否する機能を提供しています(警察白書)。ほかにも、知らない番号からのSMSや、リンク付きのSMSを拒否する設定があります(フィッシング対策協議会)。設定の場所は契約している携帯電話会社の公式サイトで確かめてください。
偽のSMSを知らせる
偽のSMSを見つけたら、フィッシング対策協議会に情報を送れます(info@antiphishing.jp)。iPhoneの「迷惑メッセージを報告」やAndroidの「スパムとして報告」も、同じ手口のSMSを減らす手がかりになります。
家族、とくに親にも「宅配便はSMSで連絡してこない」「SMSのリンクは押さない」と一言伝えておくと安心です。ほかに家庭で見直しておく設定は、スマホ・パソコンのセキュリティ対策|最初に確認する10項目にまとめています。
よくある質問
Q. SMSを読んだだけで、リンクは押していません。
A. 読んだだけなら、そのまま削除すれば大丈夫です。返信はせずに、迷惑メッセージとして報告しておくと、なお安心です。
Q. 本物の通知かもしれず、消すのが不安です。
A. 消しても、本物の荷物や手続きなら公式アプリや公式サイトで確かめられます。迷ったら押さない、を基本にします。
Q. 同じようなSMSが毎日のように届きます。
A. 上の「届きにくくする設定」と、携帯電話会社の迷惑SMSの拒否を使います。報告とブロックを続けると、同じ相手からは届かなくなります。
偽のSMSは、押す前に気づければ被害はありません。迷ったときは、リンクではなく、いつもの入口から確かめてください。
次に読む記事
この記事でできるようになったこと偽のSMSを開く前に見分けて、押してしまっても何をすればよいか分かる
やってみるよく使う宅配便・銀行・カード会社の公式アプリか公式サイトをブックマークしておく
次に「パスワードやカード番号を入力してしまったら」と思ったら
フィッシングサイトに入力してしまったら?最初にすることパスワードやカード番号を入力してしまったという人にほかの疑問なら
- スマホ・パソコンのセキュリティ対策|最初に確認する10項目スマホの設定をまとめて見直したいという人に
- 偽のウイルス警告が出たら?消し方と、電話してしまった後の対処パソコンに警告と電話番号が出たという人に
参考
- 総務省「メール・SMSの詐欺対策」(2026年11月7日に確認)
- 警察庁「フィッシング対策」(2026年11月7日に確認)
- 警察庁「不正アプリによる不正送金被害が発生」(Cyber Police Agency Letter 2026 Vol.18)(2026年9月。2026年11月7日に確認)
- フィッシング対策協議会「利用者向けフィッシング詐欺対策ガイドライン 2026年度版」(2026年6月1日公開。2026年11月7日に確認)
- IPA「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」(2026年11月7日に確認)
- ヤマト運輸 よくある質問「ヤマト運輸からのメールやSMSが迷惑(詐欺)メールかを見分ける方法」(2026年11月7日に確認)
- 佐川急便 よくあるご質問(2026年11月7日に確認)
- 日本郵便「日本郵便を装った不審メール及び架空Webサイトにご注意ください。」(2026年11月7日に確認)
- 警察庁「令和5年版 警察白書」第3章 第3節「サイバー事案への対策」(SMSの受信を自動で拒否する機能。2026年11月7日に確認)
- Apple「iPhoneのテキストメッセージをスクリーニングする/フィルタリングする」(iOS 26。2026年11月7日に確認)
- Google メッセージのヘルプ(スパムとして報告する方法)(2026年11月7日に確認)
