「利用しているサービスから、『個人情報が漏えいしました』というメールが届いた。どうすればいいの?」
不安になりますよね。ただ、このメールには本物だけでなく、漏えいに便乗した偽物が混ざることがあります。先に、順番をまとめます。
- まず、届いた通知のリンクや電話番号は使いません。自分でサービスの公式サイトやアプリを開いて、お知らせを確かめます
- 次に、何の情報が漏れたのかを確認します(サービスの連絡、公式サイトの案内、サポート窓口)
- 漏れた情報で、やることが変わります。パスワードなら変更、カード情報ならカード会社への連絡、運転免許証などの本人確認書類なら信用情報機関への相談が候補です(IPA)
- メールアドレスや電話番号などだけが漏れたときは、突然届くメールやSMSを無視するのが基本です
- すでにリンクを押した・入力したときは、焦らず順番に対処します
2026年11月7日に、IPAが2026年10月26日に公開した「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」などで確かめました。この記事は、漏えいの通知を受けた個人の読者向けです。
通知が届いたら、まず本物かを確かめる


漏えいの通知は、メールやSMSで届くことが多いものです。ここで気をつけたいのは、通知そのものが偽物の場合があることです。
IPAは、突然届くメールやSMSは基本的にすべて詐欺とみなして無視するよう案内しています。メールの真偽を確かめたいときは、正規のサイトを自分で検索し、そこから問い合わせます。
具体的には、次のようにします。
- 通知に書かれたリンクは、押さない
- 通知に書かれた電話番号には、かけない
- 公式アプリ、ブックマークに入れておいた公式サイト、自分で検索して出てきた公式サイトから、お知らせのページを開く
- お知らせに同じ内容があれば、通知も本物の可能性が高い。なければ、サポート窓口に問い合わせて確かめる
画像の中に埋め込まれたURLのリンクにも注意します(IPA)。
何の情報が漏れたかを確認する
IPAは、まず落ち着いて、どの情報が漏れたのかを確認するよう案内しています。確認の方法は3つです。
- サービスからの連絡の内容を見る
- サービスの公式サイトの案内を見る
- サービスのサポート窓口に問い合わせる
分からないまま全部の対処をするより、漏れた情報に合わせて動くほうが、手間も少なく確実です。
漏れた情報で、やることが変わる


IPAは、漏えいした情報ごとに、次の対処を示しています。
- ID・パスワードが漏れた: 不正ログインのおそれがあります。パスワードを変えます(使い回しも)
- クレジットカード情報が漏れた: 不正な決済のおそれがあります。カード会社に連絡し、明細を確認します
- メールアドレス・電話番号・住所・氏名が漏れた: 偽メールや詐欺電話のおそれがあります。不審な連絡を無視します
- 運転免許証などの本人確認書類が漏れた: なりすましの契約のおそれがあります。信用情報機関に相談します
複数が漏れた場合は、該当する行をすべて実行します。
ID・パスワードが漏れた
第三者に不正ログインされると、勝手な購入、ネットバンキングでの不正送金、SNSへの身に覚えのない投稿などの被害につながるおそれがあります(IPA)。

- 漏れたサービスのパスワードを変える。長く、推測されにくいものにします
- 同じパスワードを使い回しているほかのサービスも変える。ここが見落とされやすいところです
- 数が多いときは、メールのアカウント、GoogleやAppleなどの大本のアカウント、お金に関わるアカウントを先にします
- 設定できるサービスでは、2段階認証やパスキーも使う
変更するときは、通知のリンクからではなく、自分で開いた公式サイトやアプリから進みます。使い回しの見直しはパスワードの使い回しは危険?今すぐ見直したいアカウントと安全な管理方法、2段階認証は二段階認証とは?設定方法と認証アプリ・SMSの違い、注意点を解説、パスキーはパスキーとは?パスワードとの違いと初心者向けの設定方法・注意点にまとめています。
クレジットカード情報が漏れた
不正な決済のおそれがあります。IPAは、カード会社に連絡して不正利用の有無を確認し、利用停止や再発行について相談するよう案内しています。連絡先は、カードの裏面の番号か、カード会社の公式サイトで確かめてください。通知に書かれた番号は使いません。
当面は、利用明細に身に覚えのない決済がないか、定期的に確認します。
メールアドレス・電話番号・住所・氏名が漏れた
これらは、リストにされて売買され、偽メール、偽SMS、詐欺電話、不審な郵便物などに悪用される可能性があります。IPAは、偽メールに自分の氏名が書かれていることもあると説明しています。
- 突然届くメールやSMSは、基本的にすべて詐欺とみなして無視し、削除する
- メール内のリンクは、押さない
- URLから直接サイトにアクセスして情報を入力したり、アプリをインストールしたりしない
- 不審な郵便物に注意し、不審な着払いは受け取らない
氏名が書かれていると本物らしく見えますが、それだけで本物とは言えません。
運転免許証などの本人確認書類が漏れた
画像が悪用されて、なりすましでクレジットカードやローンを契約されるおそれがあります(IPA)。

IPAは、信用情報機関に本人申告(漏えいの事実の登録)をすると、不正利用や身に覚えのない契約の抑止に役立つとしています。次の機関への相談が候補です。
- 日本信用情報機構(JICC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
手続きの方法や必要なものは、機関ごとに違います。各機関の公式サイトで確かめます。
すでにリンクを押した・入力してしまった
通知のリンクを押したり、パスワードや認証コードを入力したりしたときは、次の記事の順番で対処します。
- フィッシングサイトに入力してしまったら?は、パスワード、カード番号、認証コードを入力したときの順番をまとめています
- 怪しいSMSが届いたら?開く前の確かめ方と、押してしまった後は、SMSのリンクを押したときです
押しただけで入力していない場合も、そのページには何も入力しません。ブラウザを閉じて、念のため通知のリンクとは別に、公式サイトでアカウントの状況を確認します。
やってはいけないこと

- 通知のリンクを押す、通知に書かれた電話番号にかける
- 突然届いたメールやSMSに、返信する
- リンク先で、ID・パスワード・カード番号・認証コードを入力する
- 「確認のため」「返金のため」という連絡に、個人情報や認証コードを伝える
漏えいを起こしたサービスの名前を出していても、安心できる材料にはなりません。自分で公式サイトを開いて確かめるのが、もっとも確実な方法です。
日頃の対策

IPAは、漏えいの対象かどうかにかかわらず、全員が心がけたい対策を挙げています。
- パスワード: 長く複雑にして、使い回さない
- 多要素認証・パスキー: 設定できるサービスでは使う
- 偽メールへの注意: 突然届くメールやSMSは無視し、確かめたいときは正規のサイトを自分で検索して、そこから問い合わせる
- 登録する情報: 必要なサービスに、必要最小限の情報だけを登録する。使わなくなったアカウントは削除する(削除後の情報の扱いは、利用規約やプライバシーポリシーで確認する)
これらをスマホの設定でまとめて進めたいときは、今日15分でできる7つの対策に手順を書きました。
困ったときの相談先

- 漏えいしたサービスのサポート窓口: 自分が対象かどうか、何が漏れたかを確かめる
- カード会社・銀行: 不正利用が心配なとき
- IPA 情報セキュリティ安心相談窓口: 03-5978-7509(平日10:00〜17:00)。電話相談は1回30分以内で、無料ですが通話料は自己負担です。メールでも相談できます。2026年10月28日更新の案内で確かめました
- 警察: 詐欺の被害に遭ったとき。被害届は最寄りの警察署に連絡します。技術的な相談は、都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口が受けています(警察庁)
- 消費生活センター・消費者ホットライン188: 消費生活全般の相談(警察庁の相談窓口ページにも案内あり)
IPAの窓口は、一般的な情報セキュリティの技術的な相談への助言を行います。個別の端末やログの調査、他機関への連絡の仲介などはできません(IPA)。
よくある質問
Q. 自分が漏えいの対象かどうか、どうやって調べますか?
A. サービスの公式サイトのお知らせ、サービスからの連絡、サポート窓口で確かめます。通知が来ていなくても、公式のお知らせに対象の条件が出ていれば、それを見ます。
Q. メールアドレスだけが漏れたなら、放っておいていいですか?
A. IPAが挙げる対処は、突然届くメールやSMSを無視することです。偽メールや詐欺電話が増えるおそれがあるので、身に覚えのない連絡には応じません。パスワードを使い回しているサービスがあれば、あわせて見直します。
Q. 退会すれば、漏れた情報は消えますか?
A. IPAは、使わなくなったアカウントの削除を日頃の対策に挙げていますが、すでに漏れた情報が消えるとは書いていません。削除後の情報の扱いは、利用規約やプライバシーポリシーで確かめます。
Q. 通知のメールが本物でも、リンクを押してはいけませんか?
A. 本物かどうかを見分けるのは難しいので、本物でも偽物でも、同じ動き(自分で公式サイトを開く)にしておくのが安全です。
漏えいのあとの動きで、二次被害は減らせます。通知のリンクは使わずに公式サイトで確かめ、漏れた情報に合わせて、必要なことだけを進めれば十分です。
次に読む記事
この記事でできるようになったこと個人情報の漏えいの通知が来たときの、本物かどうかの確かめ方と、漏れた情報別の対処が分かる
やってみる通知のリンクは使わず、サービスの公式サイトのお知らせを自分で開いて確かめる
次に「通知のリンクを押して入力してしまったかもしれない」と思ったら
フィッシングサイトに入力してしまったら?通知のリンク先に入力してしまったという人にほかの疑問なら
- パスワードの使い回しは危険?今すぐ見直したいアカウントと安全な管理方法漏れたパスワードを使い回していたという人に
- 二段階認証とは?設定方法と認証アプリ・SMSの違い、注意点を解説乗っ取られにくいログインにしたいという人に
- 怪しいSMSが届いたら?開く前の確かめ方と、押してしまった後漏えいを名乗るSMSが届いたという人に
何から見直せばいいか迷ったら、最初に確認する10項目に戻れます。
参考
- IPA「自分の個人情報等が漏えいした際の『対処』と『日頃の対策』」(2026年10月26日掲載。2026年11月7日に確認)
- IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」(最終更新日:2026年10月28日。2026年11月7日に確認)
- 警察庁「サイバー事案の相談窓口」(2026年11月7日に確認)
